本郷孔洋 理事長

稼ぐ能力に差がつく現代

昔は個人個人の能力で、そんなに収入に差がつくことがなかったんだよね。だけど今は、極端にいうと、一人で会社を設立し一人で会社を成功させ、百億とか二百億とか、稼げるわけだよな。従業員が誰もいなくても。昔は従業員がいないと、売り上げは上がんなかったんだ。随分世の中変わるんじゃないかな。天才が現れやすいともいえるよね。だからね、死語になるでしょ、「汗水たらして頑張る」とか。例を挙げると、売れないミュージシャンがいて、親は「近所に恥ずかしいからやめてほしい」って言ってたとする。そのやさきに、その人が急にブレイクしちゃってさ。近所の中で一番出世頭になっちゃったり。芸能界だからそういうことがあるんだと思うかもしれないけど、それが、どこの世界でも出てくるんだよ。また私のところのような多くの人を雇っている会社が絶対的に強いかっていうと、今だったらわからない。一人の天才的会計士が現れて、凌駕されちゃったら、人数抱えている分だけうちはコストがかかるもんな。 そういう恐怖ってあるよ。規模が大きいから強いわけじゃなくなってきた。こういう時代ってね、ニ、三十年前じゃ信じられなかったんだね。だから、皆さんにもチャンスありますよ。こういう時代になってきたら、ある程度どっかの会社に入って就業して、なんて関係なくなってるもんね。学生のうちに大成功したりする人が出てくるんだよね。ホントわからないよ。

成功者の行動パターンとは

やろうと思ったら、まずはやることは大切だね。私は、六本木ヒルズにあった企業のいわゆる成功した人たちの行動パターンを見たことがあるのだけど、別に営業が強いとか、そういうのじゃなくて、やっぱり、行動力だよね。よく言うんだけど、明治維新のときに、吉田松陰が松下村塾を開いて、たった二年でなぜあれだけ、偉大な人物を排出したかって言うと、行動を教えたからなんですよね。大学の勉強だけしてたって意味ないです。やっぱり行動を教えなきゃいかんよね。私も今、東大の柏のキャンパスで環境を教えてるんだよ。やっぱりそういう風な教え方、教えるほうも考えなきゃいけないんだよな。ビジネススクールなんかは、行動を教えないから、ぴんとこないんだよね。学生はまだ、経験がないから。日本の場合、あまりにも追体験が少なすぎるわな。もっとどんどん、事例を教えながら、課題を教えていかないと。

経営を学ぶための勉強法

もし経営を勉強したかったら、新聞を見て、会社がどんな意思決定をし、どんな戦略をとったかを知る。そこで、自分ならどう判断するかな、っていうのを私はやるんだ。そうやって勉強する。若い人にとって、そういうことはすごく、重要だと思うけどね。毎日毎日、会社の記事が出てるじゃない。そこに会社がこうしたい、こうするって決断が載っていますよね。それを、自分だったらどう決断するかっていうことを考えてみて。そうすれば何年後かに結果が出るから。例えば、以前ベンツがクライスターと提携したよね。そのときの戦略って言うのは、ベンツが世界中から標準の部品を全部安いコストで調達し安い車をつくろうという戦略。製造ラインが大きいほうが、部品の調達のコストが下がるという理屈があったんだよね。これもまた一つ、正しい戦略なんだけど、見事に失敗した。そのときに、当時のホンダの社長は、どんなに安い車を作っても売れなきゃ意味ないじゃないかって言ったんだけど、結局はホンダが正しかったね。それから、ハイブリッド車であるプリウスの話。あれは、つなぎの技術だよな。だってガソリンと混ぜ合わせてやってるわけでしょ。実は、電気自動車の時代が来るとあって、つなぎの技術であるハイブリット車をやんない企業もあった。だけど、電気自動車に行く前にあの車をだしてみたら、売れちゃったわけだろ。プリウスが。そういうのを一つ一つ自分だったらどうやるかっていうのを考える。最初はわかんなくても、繰り返しやるといいよ。

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