宮田拓弥 代表

広告はしていないのに…

広告は、全く出稿していなかったのですが、広まった理由は2つあると思います。一つは多くのマスメディアに取り上げられたことで認知度が高まったことです。例えばお笑い芸人は一回でもおもしろいとテレビで何度も取り上げられますよね。同じように『顔ちぇき!』も、発表して、最初に「めざましテレビ」で紹介されたのをきっかけに、1円もお金を払っていないにも関わらず、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌での露出が相次ぎました。メディアが取り上げてくれるんです。『顔ちぇき!』を作ったときはまだ社員が3人しかいませんでした。が、サービスを開始して、プレスリリースし、ネットニュース上で紹介されたことがきっかけで影響力のあるメディアに出た。さらにそれを見たメディアが紹介してくれて、連鎖的に広まったんです。  もう一つはウィルス的なコミュニケーション、口コミで広がりました。今は、友達とメールでやり取りする時代なので、何か面白いことがあったらすぐ伝える手段があるので、情報の伝達が圧倒的に速くなっています。『顔ちぇき!』も同じで、僕らは何も仕掛けていないのですが、サービスを始めてすぐに、mixiやモバゲーで勝手にコミュニティーができたんです。そして、誰かがそのコミュニティー内で「俺は○○に似ているぞ」と結果を挙げて。すると、それを見た人がまたやって、「俺は●●だ」というように皆乗っかって、インターネットを介して勝手にウィルス的に広がっていくんです。それがもう一つの大きな要因ですね。

これからの目標は?

私たちがやりたいことは「見たまま検索」つまり、「見ている」情景から情報を検索することです。例えば「そのネクタイかっこいいじゃん。いくらで買ったの?」という話の中で、いくらなのか、ネットオークションではいくらで買えるのか、ECサイトのマーケットプレイスではいくらで売れるのかといったことをその場で分かったらいいですよね。他にも、山の中で飛んできたカブトムシが見たこともない形をしている。何て名前のカブトムシだろう。調べる手段はない。そこで携帯電話をかざすと、これは○○カブトだと分かる、そんな風に、見ただけで色んな情報を検索できる世の中を、次世代のインターネット検索の在り方として実現するのがビジョンなんですね。今『顔ちぇき!』では検索対象が人間だけですが、「見たまま検索」の実現に近づくために、検索対象ジャンルを増やしていくことを当面の目標にしています。  また、画像認識は人間の目の働き、脳の働きをいかにして解明するかという分野です。人間は見るだけで脳のデータベースを使って相手のことを瞬時に判断しますよね。それをいかにソフトにするかということにチャレンジしています。それが実現できれば、『顔ちぇき!』でみんなが楽しんでいたこと(=画像検索)が、顔だけではなくて色々な対象物事でできるようになります。これは遠い将来のことではありません。

技術と社会の結びつきを考える

私たちが大事にしているのは、プロデュース力です。技術者は技術を作るもの、というイメージがあると思いますが、これからの時代は技術をいかにビジネスにするかという視点が大事で、その役割をビジネスプロデューサーと呼んでいます。技術的な視点だけで作るのではなく、ユーザーのライフスタイルにどうインパクトを与えるかということを考えてデザインできる、そういうことができる人材をジェイマジックでは育成しています。最終的に技術は使われなければ意味がないので、いかに使われるものを作り出していくかを大事にしています。  大学では本などで学問のベーシックな部分を学びますが、それと雑誌で読むヒット商品や世の中の動きとは、なかなか結び付かないと思います。ですが、その間が最も難しくて、最もバリュアブルです。それは誰も教えてくれませんが、発想と訓練により、情報感度を磨くことはできると思います。大学時代から、自分たちが勉強していることが社会的にどう意味があるのかを日々考えることがとても重要です。

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