宮田拓弥 代表

ジェイマジック株式会社 代表取締役 / 宮田拓弥 氏

1997年早稲田大学大学院理工学研究科修了後、エンジニア、インターネットビジネスコンサルタントを経て、2002年米国南カリフォルニア大学発のベンチャー企業、Neven Vision, Inc.日本法人に入社。代表取締役社長に就任し、画像認識技術を活用した各種アプリケーションの開発を指揮(2006年8月退任)。2005年10月、ジェイマジック株式会社を設立、代表取締役に就任。

インターネットの衝撃

大学では半導体の研究をしていました。その頃はまだ半導体が最先端のビジネスで、ITが産業としてなかったのですが、95年にWINDOWS 95が出て、インターネットの可能性を感じたんです。今は友達と電話するときは携帯ですよね?私が学生の頃は、電話はコードがつながっているので、それを引っ張って廊下とかで話すんです。携帯電話やメールのように、自分の部屋で誰かとコミュニケーションすることも出来ません。勉強する時も図書館に行かないと本がない。そんな中、大学院生時代に突如やってきたインターネットの波は、人類の色んなものが変わるのではないかという、大きな衝撃がありました。私自身、理系に進んだのは、父親も研究者なのですが、物を作って人類の生活が良くならないかという社会的側面と、それが商品として売れればビジネスになるかもしれないという両側面から物を作り、技術を生み出してゆきたいと思っていたからです。そんな時インターネットという新しい波がやってきて、この波には乗るべきではないかと感じました。そこでITの世界に転じたのです。

『顔ちぇき!』がヒットした要因とは?

『顔ちぇき!』はは、顔写真から似ている有名人を教えてくれる携帯電話向けのエンタテインメント・サービスですが、実は画像を認識する高度な技術を使っています。幅広い層のユーザーに受け入れていただくため、『顔ちぇき!』という親しみやすい語感の名前にして、顔写真をメールで送ると自動的に結果が返信されるという非常にシンプルなインターフェースにしました。携帯電話で若い世代を対象にしていくことを考えると、裏側に難しい仕掛けがあるかどうか、というよりはシンプルで親しみやすい感じで作ることが大事です。その考えに基づいて作った結果、人気が出たのだと思います。後は、人間の根源欲求の話です。30年ぐらい前だと、まず着るものがないから洋服を作ろう、食べ物が少ないから食べ物を安く作ろう、というように人間の根源的に求めているものは分かりやすく、作れば売れました。しかし、今はそういった根源欲求に合っているものは作りにくいんです。SNSなどのように人間が本当に根源に欲しているのか分からないものはなかなかうけなくて、根源欲求に合ったものを作るのは難しいんです。これは結果論ですが、たぶん、皆さんが最初に大学に入って新歓コンパとか合宿に行ったりすると、大体、○○君って△△君に似てない?という話をしますよね。コミュニケーションのツールとして有名人というカテゴリと自分とを重ね合わせる。そこの部分がある種の根源欲求で、『顔ちぇき!』とマッチしたのだと思います。

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