堀信一 院長

5分しかみれない

一人一人話をする時間をつくらないといかんとか、患者さんとのコミュニケーションをとらないかんといわれているけど、現実問題かなり難しい。今の保険診療では5分ぐらいで患者さん一人をみないと採算が合わなかったりするくらいだもん。数をこなせばこなすほど、患者さん一人一人と話す時間が減るんだけど、数をこなさなければ病院はつぶれちゃう。いくら長く患者さんと話したってそれは、病院の利益に結びつかない。だから、患者さんとコミュニケーションするというのは大変な問題でね。診察室で、ろくに私の体診てくれなかった、と患者さんが怒ることがあるんだけど、それは仕方ないところもあるよ。だって、レントゲンの写真を撮って検査データが出てくるでしょ。それを頭の中で分析するだけでも大変で、コンピュータ見ながらう~んって考えないといけない。ただでさえ時間がないうえ、そんなことをしていたら患者さんの顔を見ている暇がなくて。患者さんの顔を見て病気がわかるんだったら、僕だって患者さんの顔をじっとみるよ。でも現代医学はそうなっていないからね。脈とってくれないと、いわれるけど脈とってみてもわからないからね、それよりも心電図みたほうがよっぽどわかるし、お腹触ってくれないといわれても、お腹触るより、CT見たほうが正確な診断ができるから。でも、患者さんは、顔を見て、脈とって、お腹触ってといったような診断を望んでいるんだよね。正確な診断と患者さんへの対応の両立が難しい。理想はその両立なんだけど、そんなことしてたら病院が潰れて本末転倒だから。やっぱり日本の医療制度を変えて、一人一人時間をとって治療できるようにしていかないと駄目だね。

医療制度はみんなの意識から変える!!

医療にはお金がかかるということを国民的なコンセンサスとしてわかってもらえることは非常に大事。医療費無駄がいっぱいあるぞ、どんどん削らな、といわれているけど実際そうでもないからね。確かに不正請求を行う人がいて一部はとんでもないところでつかわれていたりもするけど。でも、一般診療では、どんどんお金がかかるようになってきているんだよ。にもかかわらず、人を減らせの、お金を減らせのと、そんなことやるから患者さん一人当たりの診察時間が少なくなることにつながったりするんだよね。医療にお金をかけないでもっともっと医療を充実させよう、どっかでお医者さんが儲けているんだから、そこをうまくなくせばいいと認識しているのは間違いだと思うよ。医者の給料を増やせということではなくて、医者が無理なく働ける環境を整えることが大切だといいたい。そのためにも医療にはお金がかかるということを国民全体が認識してもらわないと今後の医療はよくなっていかないと思うよ。

MESSAGE FOR READERS

現状の医療の現場は確かに環境はあまりよくない。24時間手術した後、そのまま病院に残って、診察をするといったこともやっているほど、ハードな仕事だし、患者さんの命がかかっている仕事で責任も重い。だけど、医者になったらしんどい思いをするばかりだというわけではないから。仕事に対する喜びというのは決して失われない。むしろその喜びは人一倍あるし仕事としては非常におもしろいんだよね。達成感がある。人に貢献したという風に思えるから、たとえしんどくてもやっていける、人に感謝されるからやっていける。働く上でそう感じていられるのは大事だからね。もし少しでも医者をやりたいと思うなら医者を目指してほしい。個人的には是非とも外科を目指す人が増えてほしいね。

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ゲートタワーIGTクリニック

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掲載:2009年02月07日   category:医療

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