堀信一 院長

ゲートタワーIGTクリニック院長 / 堀信一 氏

昭和50年、徳島大学医学部医学科を卒業 。放射線科医として大阪大学、大阪府立成人病センター、スイス、ベルン大学、市立泉佐野病院に勤め平成14年に、ゲートタワーIGTクリニックを設立し同クリニックの院長を現在に至る。また日本医学放射線学会専門医、日本IVR学会専門医/評議員、日本血管内治療評議員、血管腫・血管奇形IVR研究会世話人としても活躍。

航空工学科から医学部へ

小さいころはパイロットになりたかったね。でも中学のころにどんどん視力が落ちてきて、その視力じゃパイロットになれないということになって。だから高校時代は航空関係の仕事につこうと考えていたんですよ。飛行機の設計とかね。でも、ちょうど高校3年生のときに飛行機を作っていた会社が潰れて、日本ではもう飛行機、生産しませんっていう話になって。しかも、航空工学科の学科がある大学のその卒業者の就職先を調べてみたら、航空関係の仕事についている人が誰もいなくて。それで、高3の進路相談のときにどうする、と先生に聞かれ、医学部にいきます、と答えたんです。あほか、お前って言われましたけど。確かにそのときは、普通のサラリーマンになりたくないという軽い気持ちだったねぇ。医学部に入って、医学の勉強をしても、その中で自分が本当に何をしたいのかなかなか見つからないものだった。だいたい卒業して10年ぐらいは技術も完成しないし、人の心もうまく読めるようにならない。やっぱり10年ぐらいかかったかなぁ自分のやりたいことを見つけるのに。ただね、医者の仕事ってありがたいことに、頭使う仕事から、手先使う仕事とか、体使う仕事とか、卒業してからいろいろ選択できるの。だから、たとえば精神科いってみたけど、自分に向いていない、といったら、すぐに転向できるよ。自分は手先が器用だと思って外科にいってみたけど、度胸がなくてうまくいかなかったというなら、違う科にいける。そういう、自分の性格にあった道を卒業後に選べるのがすごくよかったね。僕の場合、落ち着いた先が放射線科だったんですよ。

医師として患者の立場にたった治療を

がんの三大治療と呼ばれている、手術、放射線、抗がん剤の究極の目標はがんの根治なんだけど、それを駆使してもがんを根治できない人が半分ほどいる。そういう患者さんには、医者はもうやることやりました、というしかないんですね。それに患者さんに無駄な治療を行っていると治る可能性の高い患者さんの治療ができなくなるので、うちにはもう来ないでくれ、ホスピスに行ってくれないか、そう患者さんにいうしかないんです。僕がこのゲートタワーIGTクリニックを創設した目的に、そういった患者さんを受け入れたいという思いがありました。だから、うちの病院にはよその病院で診てもらった患者さんがよくいらっしゃいますね。それに僕がやっている血管内治療というがんの治療法はがんの根治も目指してはいるが、根治できないがんにたいしては、がんの進行をとめたり、遅くしたりできる。そして、なにより患者さんの痛みとなるがんの作用を和らげたりすることができるんです。だから、我々は、がんの根治を第一にめざすわけではなく、まずは患者さんを「苦しめている部分」を治療しよう、患者さんの苦しみを取り除こう、そんなアイディアでやっているんです。患者さんのQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高めること、それが我々の使命であり、働く上で一番大事にしていることです。

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掲載:2009年02月07日   category:医療

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