下澤嶽 事務局長

社会企業家について

NGOは、開発途上国で人道的な感覚に触発された個人が、損得抜きで始めたもので、それが周辺の人に共鳴していってつくられるものです。ですから組織の根幹の価値観は、スピリチュアルなものと言えます。最近、「社会起業家」といった言葉がよく使われるようになりました。そう呼ばれている人たちの活動の多くは、活動の初期の段階から、ビジネス的な組織経営に非常に意識が高いです。開発途上国の手工芸品をデザインして日本国内で売れないかとか、インターネット収益事業とボランティア活動をつなげて利益を生めないかとか。組織を資金面からも持続的にしていくために、これは重要なことです。しかし、国内の事業に関心が強いあまり、支援する現場のコミュニティや現地プロジェクトの持続性の観点が弱いと感じることもありました。そういった意味で、「組織経営」と「現地支援プロジェクト」のバランスがもっと必要だと感じることがあります。ただ古い世代のNGOは、資金集めが下手だという団体が多くて、社会起業家と言われる人のセンスやスピードをもっと学ぶ必要があると思います。

企業のCSR活動とNGO

CSRっていうのはもともと社会貢献活動だけではなくて、企業が社会と長期的にどう共存していくべきかという考え方を、内部規制または経営ルールを見直して、組織リフォームしていく作業だと思います。だから環境に負荷をかけない配慮もあるし、法律をちゃんと守る、組織情報の透明性を確保しようとか、視点は多様です。 NGOと企業のCSR活動がつながりやすい接点は、企業の社会貢献活動の部分だろうと思います。企業が社会貢献活動として植林活動をしたいと思ったら、植林活動の得意なNGOと連携すれば早いですよね。その部分の連携はよく進んでいると思います。  逆によく指摘されるのは、NGOはお金もらって企業の社会貢献活動を代行するだけでいいのか?という点です。本来のNGOは、そういう仕事を代行するだけではなく、企業のCSRの内容やあり方に対しても積極的に提言していくようなかかわり方が大切だと思います。 企業のCSRとNGOは競合しあうというよりも、より対等なパートナーなっていくべきだと考えています。

MESSAGE FOR READERS

日本社会では、NGO、ボランティアっていう話をすると、崇高な人間であると勝手にレッテルを貼られることが多いのですが、僕も普通の青年だったし、立派になりたいと思ってやっていませんでした。途上国の被災現場でかかわっている時も、日本は安全でよかったなんて思うことも時々あります。実はボランティア活動っていうのは、誰にでも与えられた社会に参加する一つのチャンネルであって、無理してやらなくてもいいんです。ボランティアという社会とつながるチャンネルが誰の中にもあって、自分の中でカチッとスイッチが入る音がしたら、自然にかかわればいいのかなと思います。だからそういう優しさのチャンネルをしっかり持ち続けてください。

関係サイト

国際協力NGOセンター(JANIC)

国際協力NGOセンター(JANIC)事務局長ブログ

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